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双国~HAPPY END EDITION~

はい!というわけでハッピーエンドです。どぞ。



最終章 「家 族 の 元 へ」

刹那は門を斬り、盛大に中に入った。
兵士がだんだん増えてきた、300人ぐらいだろうか。

「ふん…血が騒いできたぜ。」
たとえ刹那は100回斬られても、100回罵られても、絶対に亮を助け出す。と心に誓った

「お前ら!かかってこい!この俺が相手をしてやる!!」

全員一斉に飛び掛ってきた。
刹那は必死だった。
あくまで刹那は戦うためではなく、亮を助け出すために来た。戦わずに走った方が早い。
でも刹那はこの時を待っていた。とにかく何千人の人数と戦ってみたかったからだ。
どんどん刹那は敵を斬り倒していく。たまに死角に入り込まれ斬りつけられることもあったが、
刹那はそんなことものともしなかった。
刹那は走り出した。イギルス城の最深部へ。

5時間かけて、やっと最深部の前まできた。
「やっとか…」
刹那はとにかく疲れていた。このままじっとしていると、寝てしまいそうなぐらいに。
「くそ…でも俺は行かないといけないんだ…亮の所へ…。」
刹那は扉を開けた。
「亮ぁぁぁぁ!!」
そこには亮がいた。だが、無数の傷をつけられ、檻のようなものに入れられていた。
そしてその隣には…東街の王がいた。
「来たか… お前に一つ問いたいことがある。」
「…なんだ……」
「こんな非力で弱い使い物にならない奴のために何故そんなに…」
「うるさい!亮を悪く言うなぁぁぁぁぁぁ!!!」
亮は眼にしていた。刹那の背中の…悪魔のような黒い、そして大きい翼を。
刹那は走った。亮の下へ。 檻を剣で斬り、亮を解放した。
「亮…部屋の隅にでもいろ…俺はそろそろ…やばいみたいだ…」
「う・・・うん・・」

「うおおおおお!!!」
亮はその剣筋が全く見えなかった。それ以前に、刹那の剣すら見えなかった。とてつもない速さで、
剣を振るっていた。的確に。王の剣に。
「ぬぅ…やるな…」
王は苦戦していた。攻撃しようとすると刹那に斬られる、だから防御をするしかなかった。
「そうだ…亮…」
刹那は片手で王を斬りながら腰につけていた小さい袋を開けた。そして二つの短剣をとりだした。
亮の物だった。
「もしものためにコレを持っておけ…」
投げる余裕は無かった。言葉を喋り、物を渡すだけでも難儀だった。片手に剣。心は乱れていたからだ。
地面に置いて二つの短剣を蹴った。
「ありがとう。」
また剣の斬り合いが始まった。
そこで刹那は隙をみて国王の横腹を斬りつけた。
そして防御が緩くなった王を見て、刹那は何十回、何百回も斬りつけた、
刹那は精一杯だった。以前の兵士との戦いで傷を多く負っていた。
「くっ…」
そして王は倒れ、息絶えた。
「行くぞ!亮!つかまれ!」
「うん!」
刹那は飛んだ。城の天井を斬り崩し、そして大空高く飛び。家がある街へと向かった。
「帰ろう…!一緒に…!家族の所へ……」
1時間ほどだっただろうか、最高速度を出していたからだろうか。もう西街の故郷にたどり着いていた。
その瞬間だった。
「ちょっと…疲れたな…いろいろ…あり…すぎて…」
刹那は倒れた。
「兄貴…兄貴いいいいいい!!」
村人達は集まり、刹那を家へ運んだ。
「ん…?」
翌朝、刹那は目覚めた。
「そうか…俺達…戻って来たのか。」
起きるとまだ体のあらゆる所が痛む。
「みんなの所に…行かなきゃ…」
外に出た。すると家族みんな待っていた。
「おかえり。」
「ただ…いま…。」
刹那は涙をこぼした。大粒の涙…その涙は、いままでの全てを物語っているようだった。


         双国 ~完~
というわけですが。BADENDがまだあります。お楽しみに

by naoyataka | 2007-05-17 17:37 | 詩&小説
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繋がる空とすべての物語


by 久我思人
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